俄然やる気を削がれた。期待を裏切られ何かに手をつけようとも思わない。つまらない日常の中で彼女はこれから先の指針であり、安易に失いそうになる自尊心を優しく照らしてくれる灯台であった。道すがらすれ違う相手にすら嫌悪感を覚えるほどこの世界そのも…
人として尊敬や興味といった好意を持っている相手がいた。 分類するならしずかな体育館に響く凛としたピアノの音色だとか、春先にひんやりと漂う洗いたての朝の空気だとか、そういったものに近い。感覚的に本能的に気に入っているそれらを出会う度に当たり前…
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