ハガキサイズの巨大な消しゴムから切り出してはんこを彫っています。
下絵を紙に書き、トレーシングペーパーに書き写し、書き写した面を消しゴムに擦り付けて転写し、彫刻刀やデザインカッターで彫る。彫れたらインクをつけて押す。
私はこの中でも彫るのが一番好きで、押すのが一番苦手です。
美術の授業やなんかでみなさん一度は版画を彫った経験をお持ちだと思いますが、消しゴムを彫るのとは少し違います。
何がって気持ちいいんですよ消しゴムは、彫ってて。
木板と違って消しゴムはんこ用の消しゴムはプリンプリン彫れるんです。
この擬音語が正しいかどうかはさておいて、かなり彫りやすいんですよ。
これがクセになりまして、かなり長くやってます。
ただどうした事か、押すのが辛い…。
不器用なものでちゃんと押せるまで10回以上押します。彫っている間はあんなに可愛いなと思えていたハンコも、押すときになったら急に子憎たらしくなる。ちょっとズレたり、ちょっとかすれたり、ちょっと滲んだり…もう忌々しくすらある。
一色一版でこれですから、多色押しの時の私なんか目も当てられません。幾度となく般若になり、一周回って仏の様な悟り顔になりしながらやっとこさまともに一枚仕上がるんです。
浮世絵の様な版画を製作できる日が果たしてくるのか…。